KNIFE JOURNAL / 02

鋼材と
ハンドル

切れ味と使い心地は、素材から始まる。
ダマスカス鋼の包丁

01 / MATERIAL

STEEL IS A DESIGN

鋼は、目的に合わせて
性能を設計する素材

包丁用の鋼材は、鉄を主成分に、炭素やクロム、モリブデンなどを組み合わせ、 硬さ、粘り、耐摩耗性、耐食性のバランスを整えます。 「よく切れる」だけでなく、研ぎやすさや錆びにくさまで含めて選ぶことが大切です。

CARBON STEEL

炭素鋼

鉄と炭素を基礎とする鋼材。鋭い刃をつけやすく研ぎやすい一方、 使用後の水分や酸を残さないなど、錆への丁寧な手入れが必要です。

STAINLESS STEEL

ステンレス鋼

クロムなどを加えて耐食性を高めた鋼材。日常で扱いやすく、 熱処理と合金設計により切れ味と刃持ちを両立します。

CERAMIC

セラミック

主にジルコニアを用いる非金属素材。硬く錆びない一方、 衝撃には注意が必要で、研ぎには専用設備を要します。

02 / STEEL

鋼材の個性をつくる、
元素の役割

磨き上げられたダマスカス鋼の刃
鋼材と仕上げが生む、刃の表情
C

炭素

硬さと切れ味の基礎。量が増えると硬くなる一方、靭性や錆への配慮が必要。

Cr

クロム

耐食性と耐摩耗性を高め、ステンレス鋼の錆びにくさを支える。

Mo

モリブデン

焼き入れ性、靭性、耐摩耗性を補い、刃こぼれへの強さに寄与する。

V

バナジウム

組織を微細化し、強度と耐摩耗性、刃持ちを高める。

W

タングステン

結晶粒を整え、高温での強度と耐摩耗性を支える。

Ni

ニッケル

粘りと耐食性を高め、表面の美しさにも寄与する。

Co

コバルト

高い硬さと靭性の両立を助け、熱による性能低下を抑える。

Mn

マンガン

硬さと粘り、焼き入れ性を高め、鋼の性質を安定させる。

03 / HANDLE

握り心地を支える、
四つの構造

口金と木柄を備えた包丁のハンドル
握りやすさと耐久性を支えるハンドル設計
01

全貫通

鋼材がハンドル後端まで通る構造。重量バランスと耐久性に優れます。

02

半貫通

中子がハンドル途中まで入る構造。軽さと強度のバランスを取りやすい方式です。

03

差し込み

中子を柄へ差し込み、接着などで固定する和包丁に多い構造です。

04

一体成形

刃と柄を一体的に成形。継ぎ目が少なく、衛生性と手入れのしやすさが特長です。